ハンググライダー HANGGLIDER
ハンググライダーは趣味、競技で行うスカイスポーツであり、また飛行に使用する機体自体を指す。このような行為を総称して「ハンググライディング」という。搭乗者が“吊り下がった(hang)状態でグライダー(glider)に乗り滑空する”ことから、ハング・グライダー(hang glider)と呼ばれる。また英語の原音により近いハングライダー(グを一回)の発音・表記もあるが、これが誤って逆類推され、つり下がるライダーとしてhang rider のように表記されることもあるが、このような語は存在しない。そもそもライディング=乗るのではなくグライディング=滑空するものである。機体は軽く20 kgから35 kg程度で、人間一人の力で持ち上げることができる。搭乗者はハーネスを着用してうつ伏せの状態で機体の重心位置に取り付けられたスイングラインに吊り下げられる。
搭乗者は機体を持ち上げたまま斜面を駆け下りて離陸する。上昇気流を利用しながら飛行を楽しんで、(多くの場合は)山の麓に用意してある着陸場に着陸する。巡航速度は20km/hから40km/h程度で、最高速度はコンペクラスになると100km/hを越せるものもある。滑空比は7から13程度で、リジットウイングというクラスになると25:1に達するものもある。着陸のときは速度をぎりぎりまで落として、フレアー操作により機体を急激に引き起こしてブレーキをかけて足から降りる。
機体は折りたたみ式で、直径40cm・長さ5mほどの棒状になる。通常は乗用車の屋根に積んで運搬する。
飛行エリアはどこでも自由に飛んで良い訳ではなく、スキー場やレーシング場等と同じで管理されたエリアにおいてのみ飛行できる。離陸地点、着陸地点など土地には必ず地権者がおり、許可が必要である。飛行空域についても航空法に定められた法規を守って飛ぶ必要がある。なによりもそのエリアが飛行に適しているか、安全かの判断は経験者が1年以上かけて調査しなければ開発はできない。大切なのは「自由」という言葉の意味を履き違えないことだ。
航空法上は資格は不要だが、多くのフライトエリアでは(公益社団法人)日本ハング・パラグライディング連盟発行のライセンス(技能証)の携行及びフライヤー登録(対人対物賠償責任保険)を義務付けている。
ハンググライダーは、構造によってクラス1からクラス5に分類されている。
同様に滑空を楽しむものには、パラシュートから進化したパラグライダー(パラパント)があり、FAIハンググライダーカテゴリークラス3に分類されるため、パラグライダーを「ハンググライダー」と表現しても間違いでは無いが、ハンググライダーを「パラグライダー」と表現するのは間違いである。
競技ではパイロンレースが一般的で、飛行距離30km~50km、海外のビッグレースになると150kmにもわたる競技となる事もあります。どれだけ早く指定されたパイロンをマークしてゴールできるかを競います。
パラグライダー PARAGLIDER(Parachute Glider)
パラグライダーは、国際航空連盟ではクラス3(FAI Sub-class O-3 剛性の一次構造を持たないもの)のハンググライダーに分類されており、装備重量は20kg程度で、人間一人の力で持ち運べる。パイロットは、ハーネスという装備に座り、左右の操縦索(コントロールライン)を操作して滑空する。パイロットは、まず風に正対して翼を地面に広げ、向い風で翼を引っ張って二重構造のキャノピーに空気を取り入れながら膨らませて翼形を完成させ、頭上に立ち上げてから走り出し、滑空状態にしてから離陸する。
機体の滑空比は6:1から10:1程度でハンググライダーの1/2~2/3程度の滑空性能である。巡航速度は20~30km/hで、高性能なものだと50 km/h程度(対気速度)の速度域で飛ぶことが出来る。飛行には気象条件が大きく影響し、雨のとき、風速5m/s以上の風が吹くとき、離陸場正面からの風が入らないとき、気流が大きく乱れているときなどは離陸しない様指導されている。また、構造上骨格がないため、ハンググライダーよりは気流に対して脆弱であり、乱流による翼の潰れが発生するといった飛行体としては特異な特性があることを理解し、回避方法を身につけなくてはならない。形態や呼称がパラシュートに似ているため、安全性が極めて高い(パラシュート=安全)と誤解されてしまうが、パラシュートの構造体をグライダーに進化させたものなので、パラシュートとは全く違った特性を持っている。骨格の無い細長い翼形で滑空特性をもったパラグライダーは気流の変化に対する許容範囲がハンググライダーより狭いので、より注意深い飛行が必要とされる。
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スカイダイビング SKYDIVING
スカイダイビング (Skydiving, Parachuting) は航空機などで空へ昇り地上へ落下するスポーツ。競技としては国際航空連盟用語でパラシューティングと呼ぶ。レクリエーションの場では短くジャンプと称されることも多い。
航空機で高度2000m-4000m程度まで上昇後に跳び出し(EXIT)事前に設定した高度まで降下(自由落下、フリーフォール)したらパラシュートを開いて着地する。日本ではヘリコプターからジャンプするのが一般的なようだ。
一般的にはスピード感やスリルを楽しむレジャーと受け取られているが、落下により発生する相対風を利用した身体コントロールのスキルやパラシュートの操縦技術を競うスカイスポーツでもある。競技では上空で4人~何十人と手をつないで規定のフォーメーションを時間内に何種類も組んだり、宙返りやロールなどフリースタイル演技を競ったりする。
ベリーフライ(俯せの体勢)の場合の降下速度は空気抵抗と重力加速度約9.8m/s²が釣り合い、時速200キロメートル程度で安定する。頭を下にした姿勢では空気抵抗が少なくなるため時速300キロメートル程度まで増速可能である。それ以上の速度の必要な試験ジャンプでは空気抵抗を少なくするためのコーンなどを使用する。もし真空中の落下であれば高度3,000mからの落下で地上では毎時871kmになる。大気中では体重の重いジャンパーほど降下速度が速くなるので他の降下者と速度を合わせるために体重の軽いジャンパーがバラストを用いることがある。降下中は自分の落下速度との比較物が周囲にないため強烈な風圧は感じてもスピード感はほとんど無く、体験者は「強い風に乗って空に浮かんでいる感じ」という感想を述べることが多い。
パラシュートが開いた直後にジャンパーが上昇するという誤解がある。これはエアカメラマンが降下しながらパラシュートによって減速する被写体のスカイダイバーを映した映像を見て生じる誤解(錯覚)であり、カメラマンがパラシュートを開いたジャンパーより早く落下しているだけである。ジャンパーが降下開始後に上昇することはない。
人間が自由落下するとなぜか自然に頭部が下になるように思われがちだが、頭よりもほかの部分が重い為、実際には意図的に姿勢をコントロールしない限り「仰向けで腰部を折り曲げた状態」で水平面内で回転しながら落下する。頭部を下にした降下姿勢を維持することはフリーフライを習得する際の重要課目である。
更にスカイダイビングにはBASEジャンプというジャンルがある。
これはベースジャンプと読むが、実は一文字ずつ意味がある。
B=building(建物)
A=antenna(塔)
S=span(橋)
E=earth(崖)
これはスカイダイビングの中でも最もエクストリーミーで危険なものなので、一般的なスカイダイビングとは違う。
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このほかにもグライダー(セイルプレーン)、ウルトラライトプレーン(超軽量動力飛行機、マイクロライトともいう)、ジャイロコプター、熱気球(ホットバルーン)、モーターパラグライダー、モーターハンググライダーがある。
一般的では無いが、鳥人間コンテストなどに登場する人力飛行機もスカイスポーツではあると思う。
バンジージャンプは?・・・・・
Propolis